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私の読書感想メモ

夢枕 獏 著 神々の山嶺(いただき) 集英社 2003/04出版
書き残したことはありません。
書き出してから3年、この話を書こうと思ってから凡そ20年
原稿用紙1700枚
これだけの山岳小説はもう恐らくでないだろう。
(あとがきより)

出版社/著者からの内容紹介
羽生丈二。単独登頂家。死なせたパートナーへの罪障感に悩む男。
伝説の男が前人未到のエベレスト南西壁冬期無酸素単独登頂に挑む。
なぜ人は山に登るのか? 永遠の問に応える畢生の大作!(解説・北上次郎)

内容(「BOOK」データベースより)
その男、羽生丈二。伝説の単独登攀者にして、死なせたパートナーへの罪障感に苦しむ男。
羽生が目指しているのは、前人未到のエヴェレスト南西壁冬期無酸素単独登頂だった。
生物の生存を許さぬ8000メートルを越える高所での吐息も凍る登攀が開始される。
人はなぜ、山に攀るのか?永遠のテーマに、いま答えが提示される。
柴田錬三郎賞に輝いた山岳小説の新たなる古典。

いいか
やすむな
やすむなんておれはゆるさないぞ
ゆるさない
やすむときはしぬときだ
いきているあいだはやすまない
やすまない
おれがおれにやくそくできるただひとつのこと
やすまない
足が動かなければ手で動け
手が動かなければゆびで歩け
指が動かなければ歯で雪をかみながらあるけ
歯もだめになったら目で歩け
目でゆけ
目でゆくんだ
目でにらみながら目で歩け
目でもだめならそれでもなんでもかんでもどうしょうもなくなったら
ほんとうにほんとうにどうしょうもなくなったら
ほんとうに動けなくなったら
動けなくなったら思え
ありったけのこころでおもえ