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私の読書感想メモ

吉屋 信子【著】女人平家
角川書店 (1988-09-10出版)

吉屋信子[ヨシヤノブコ]
1896〜1973。新潟県生まれ。新聞や女性向けの雑誌に数多くの作品を発表し、主に大衆小説および少女小説の分野で多大な読者の支持を得る。
大正9年に刊行された『花物語』は“女学生のバイブル”といわれベストセラーとなった。戦後はあらたな境地をひらき、昭和27年には『鬼火』で第四回日本女流文学者賞を受賞。
大正から昭和へかけての文学史上にひとつの地位を築いた

牡丹の花が今を盛りと咲き誇る平家六波羅邸―。
平家の嫡男平清盛は、牡丹園のほとりで1人の娘に会い、見初めた。
兵部権大輔平時信の娘時子である。
清盛に後妻として嫁した時子は、先妻の子重盛をはじめ、異腹の子供たちも皆邸に引き取り、自分の子同様大切に育てた。
男の子たちは平家軍団の根拠地で武士に、女の子たちは西八条の私邸で雅な姫たちに―。
慈母観音のような時子ではあったが…。
時子と6人の姫たちをめぐって物語は展開する。

西八条の私邸で大切に育てられた6人の姫たちは、平家のために政略的な結婚を余儀なくされ、それぞれ権門に嫁していく。
その頂点が徳子の入内であった。
その陰には、大江広元への淡い恋を秘めながら、帝の目に止まるのを恐れて他家へ嫁がせられた異腹の娘佑子の悲劇があった。
やがて徳子は男子を生み、安徳帝となり、清盛の栄華は極まったかに見えたが…。
滅びへと向かう平家の歴史を、清盛の妻時子と6人の姫たちを通して描く。

花物語
国書刊行会 (1995-01-25出版)

大正に書かれて以来、世代を越えて少女たちに支持され、感動を与え続けてきた少女小説の代表的名作。
テーマの花と少女のハーモニーを夢幻的に中原淳一の挿絵が彩る。

父の果/未知の月日
◆みおつくし◆立志伝◆鬼火◆父の果◆凍蝶◆後家サロン◆蕃社の落日◆マカオの露台◆墨堤に消ゆ“富田木歩”◆絵島の墓◆未知の月日◆日記買う
◆本郷森川町◆春の喪服◆母◆さかな◆馬と私◆廿一年前◆夏◆白いハンケチ◆樋口一葉女史の墓

みすず書房 (2003-02-05出版)
吉屋信子と言えば、『良人の貞操』『安宅家の人々』『徳川の夫人たち』、あるいは一連の少女小説を思い浮かべる人が多いだろう。
しかし彼女は昭和20‐30年代にかけて、多くの卓れた中・短篇を発表している。
第四回女流文学者会賞を受けた「鬼火」をはじめ、「みおつくし」「マカオの露台」など、戦中と戦後の時代相をみごとに切り取っている。
本書はこの時代の作品を精選・収録すると共に、一つの文学的年代記とも言える随筆をも加えた、特異な吉屋信子アンソロジーである。