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私の読書感想メモ

鶴見裕輔著  ナポレオン

管理人メモ
人間−鉄のごとき肉体
二つの大きな幸運に恵まれた。
肉体とフランス革命の時代に生まれたこと。
そんなに働いてもつかれない肉体ろ持っていた。
彼は中庸を守った。
「自然が自分に二つの大切な性質を恵んでくれた。一つはどこでも眠れる力でもう一つは
食べすぎと飲みすぎとのできない人間である。
人間よいうものは、どんなに自分で少食したと思っても食べ過ぎているものだ。
食べ過ぎて病気になる人間はいるが、少食に過ぎて病気になる人間はいない」
「おれの持薬は水・空気・清潔。この三つだ」彼はすぐそう言った。
疲れるとすぐに熱い湯に入った。そうして外の空気を吸った。
筋肉は丈夫であったが神経は過敏であった。神経質だった。
彼の皮膚はすべすべしていて女のように柔らかで皮膚に毛がなかった。
胃を害し、40歳を超えてから胃痛に襲われた。
天才というのは努力する人のことだ。
「おれはいつでも働いているのだ。俺はうんと考えるのだ。俺がなにごとが起っても困らずにすぎに善処
するのは偶然ではないのだ。おれはどんな小さな仕事をするときでも長いこと考え、考えぬいてするんだ。
おれの耳にとっさによい知恵をささやいてくれる守り神なんていないんだ。
おれは食事をしてる時でも、芝居を見てるときでも、間断なくいろいろなことを心のなかで
あちらから、こちらから、考え考えて練りに練っているのだ。
夜中でもおれは飛び起きて仕事をするんだ」
「天才とは勉強ということだ」
「おれの頭のなかにたくさんの引き出しがって、一つの仕事を始めると、ほかの引き出しはちゃんと
しめてしまうのだ。それがすむとまた引き出しはしめて、すぐにまたほかの引き出しを
あけるのだ。だから引き出し同士がまざりことは決してないのだ。
そうして眠るときは引き出しをみ−んな閉めて寝る」