私の小さな旅、トップに戻ります 私の読書メモに戻ります

プラウザの「←戻るボタン」で戻り下さい

私の読書感想メモ

手島圭三郎作・絵  えぞりすのあさ



北海道の奥深い山の中。春に生まれたえぞりすは夏には親から離れ、
小枝や木の皮で自分の巣を作ります。
好物の木の実がみのるころ、たかやきつねにねらわれますが…。
えぞりすの生態を版画で大胆に描きます

1935年紋別市生まれ。北海道教育大学卒業。教員を経て版画家として独立。江別市在住
日本版画協会会員、全道展会員。北海道版画協会会員

絵本の世界を版画絵で表現する手法を開拓し、1982年「しまふくろうのみずうみ」でデビュー。
紹介】北海道の自然や生き物をテーマにした力強いタッチの作品を手がける著名な版画家です。
昭和10年紋別市に生まれ、北海道学芸大学札幌校卒業後教員生活を経て、版画家として独立、
昭和57年に「しまふくろうのみずうみ」という絵本を出版しました。
動物を擬人化せず、感情移入せずに作品を仕上げることで、
逆に読み手のほうで自分の感情を入れることが出来るという作風が反響を呼び「絵本にっぽん賞」を受賞しました。
現在は「極寒に生きる生きものたち」というテーマの全12作を手がけており、
野生動物の持っている「自立して生きる力」というものを現代人に知らしめる作品が年に2冊ずつ送り出されています。

春に生まれたエゾリスは夏には大きくなっていました。

ある朝・母リスは大きく飛んで姿を消しました。
自分たちで生きていかなければならないことを知りました。

エゾリスの一番好きな季節です。

そらからタカがねらっています。
エゾリスは あわてて 木のかげにかくれ じっとして動きません。

秋がきて だいすきなくるみが 食べられるように なりました。

エゾリスは親に教えられなくても ふゆの すごしかたを知っています。

ゆきがふるまえに ふゆのあいだに食べる たくさんのくるみを
つちのなかにうめておくのです。

とおくの山には 雪が 降ってきました。
エゾリスはねぐらを捨てて ふゆを過ごす
きのうろを さがしにいきました。

たくさんの木をさがしまわって やっと みつけることができました。

ゆきが どんどん ふってきます。
エゾリスのたべものは きにはえている きのこやこけで
それを たべつくしてから つちにうめていた くるみを たべます。

ゆきをとりのぞき つちのなかから くるみをほりだします。
たいようが かおをださない あけがたが あんぜんなことを知っています。

たかがおいかけてきても 木にのぼっていたら
きのみちをぐるぐる にげられるから あんしんです。

たかや きつねに おそわれる きけんな日がつづきます。
カリ・カリ・・
ようやく手にいれた たべものをたべる よろこびのおとなのです。