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私の読書感想メモ

作: ジュリアス・レスター著「あなたがもし奴隷だったら…」
絵: ロッド・ブラウン
訳: 片岡 しのぶ
出版社: あすなろ書房
発行日: 1999年02月




内容(「BOOK」データベースより)
三十年ほど前、私は、『奴隷とは』を書いた。
この本では聞き書きによって大量に残された奴隷の話を引きながら、奴隷制度の実態を語った。
その後書いたふたつのフィクションでも、実話をもとに、奴隷として生きた人々の思いを語りつづけた。
だが、ロッド・ブラウンの絵を見たとき、まだまだ書くべきことがある、という強烈な思いにゆさぶられた。

内容(「MARC」データベースより)
400年に渡って存在した奴隷制度の実態、現代人が享受している自由の尊さ、それにともなう責任を、写真をこえるリアリズムをもつロッド・ブラウンの絵と、「奴隷とは」のジュリアス・レスターの文章で訴えかける。

アメリカに昔、黒人奴隷がいて、その多くがアフリカ大陸から奴隷船とよばれる船で運ばれてきたことは、
だれもが知っていることでしょう。

実際に行われていた奴隷の売買と
非情な扱いと差別・・・
奴隷の輸送船で一枚板の上に仰向けで寝かされ、手足を鎖で縛られ
食事も排泄も縛られたままでしなければならない
何人もの黒人が死に、やっとたどり着いたアメリカでは
重労働と鞭打ちが待っている
逃亡すれば連れ戻されて、また鞭打ち
絶え間ない非道な仕打ちの繰り返し

かもめが飛び交い、白い雲が浮かぶ青く美しい空、けれどもその下では、弱ったり、
死んだ奴隷が空になったワイン樽のように奴隷船の上から海に投げ込まれている。
ワインのびんのように狭い棚に並べられた奴隷たち。
首と手足には鉄の輪がはめられ鎖で繋がれている。ムチで切り裂かれた黒い肌、したたる血。

この絵本の作者は訴えます。あなたがもし奴隷だったらと、想像してみよう、と。
そして、さらに、奴隷をムチうつ側の気持ちになってみよう、ともいっています。
奴隷の気持ちがわかれば他人への理解が生まれるし、奴隷をムチ打つ側に立って考えてみれば、
人間の心の醜さに気づくことができるというのです。