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私の読書感想メモ

宮沢賢治 雪の童話集 


賢治の作品には風が重要な働きをする。
気象の変化にはひどく敏感だった。
童話で初めて活字になったのは「雪渡り」である。

童話にも詩にも雪は関係が深いが
賢治にとって雪はどんな意味があるのか?
否応なく長い冬を雪に包まれる岩手であるが
それが嫌なのではなく、むしろはなれがたいのである。
雪は清々と風景を一新し、生物をいきいきとさせる。

ちり落ち来り
雪となりてつちにつむ
にっぽんなどどよばれたる
この気圏のはなれがたし
(冬のスケッチより)

水仙月の四日 さばさばの白髪を振り乱し、さけたような紫の口をした雪婆(ゆきば)んごが雪童子(ゆきわらし)と雪狼(ゆきおいの)を指揮して天地を猛吹雪に包んでしまう。
とにかくダイナミックな吹雪の世界。
ギラギラの太陽が登ってきました。今朝が青みががかっていっそう立派です。雪童子(ゆきわらし)は雪狼(ゆきおいの)に頼んで、子供のいるところに行って「さぁここらの雪をちらしておくれ」
雪童子(ゆきわらし)はうしろの丘にかけあがって一本のけむりを立てながら叫びました。
「お父さんがきたよ。もう目をおさまし」
そして子供は助かる

この作品は雪を降らすものが主人公で、赤毛布の子供を背景にしている。
水仙月というのは水仙の咲き出す春さきで、がんこな冬が地団太(じたんだ)踏んで最後の一荒れをする
四日という意味。
氷河鼠の毛皮
(ひょうがねずみ)
北方思考とブルジョアジ−に対する反感を描いた風刺作である。
12月26日のベ−リング行きの列車に乗って吹雪の中・イ−ハトブを発った人たちの話です。
北極近くまで猟にでかける人−氷河鼠の首の部分だけで作った毛皮を持っていると自慢していた人たちに突然・熊がきてその人たちを捕えようとしました。「熊ども、きさまらのしたことはもっともだ。けれどもな、おれたちだって仕方ない。
生きているには、着物もきなくてはならないんだ。おまえたちが魚をとるようなものだ。けれどもあんまり無法なことはこれから注意するから・・」
ひかりの素足 非情な雪によって生死の境をさまよう子供が主人公。
父親の炭焼きの山にきていた兄弟が学校に行くために山を降りる。
炭を買いにきたいた人の馬について山をおりました。
途中で馬を引いていた人が知人とあって話が長そうだったので
二人だけで歩き始めました。
そのうちにどんどん雪が降ってきたので山を降りようと峠の頂上に向って歩きました。
雪で道がわからなくなっていました。

すると俄かに風が起って一郎のからだについていた布はまっすぐにうしろの方へなびました。