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私の読書感想メモ

作: マーガレット・ワイズ・ブラウン 「たいせつなこと」
絵: レナード・ワイズガード
訳: うちだ ややこ
発行日: 2001年09月

対象年齢 5歳から

スプーンは食べるときに使うもの。
でもスプーンいとって大切なのは、
それを使うと上手に食べられるということ・・・。
たいせつなことは何か、
ひとつひとつのものについて、語りかけてゆきます。
ひなぎくは しろい、
あめは うるおす、
くさは みどり・・・。

あなたは あなた。
あなたにとってたいせつなのは・・・?
mazon.co.jp
窓際に赤いりんごと赤いチョウ、巻き上げられたカーテンの向こうに赤いトンガリ屋根が見える、
のどかな風景の表紙。
素朴な描写なのに、誰の心にも眠っていた場面を呼び覚ます絵。
開くと、扉には小さく本が描かれている。
右ページに1匹の黒い虫、左ページには小さな文字で、「コオロギは くろい/トンと とんで/ピョンと はねて/チリリリ ないて…」。
こんな詩のような言葉が、そっと置かれている。次のページは、コップなどの卓上静物と、開かれた本。
こんどは「グラスに とって/たいせつなのは/むこうがわが/すけてみえること」。
空、風、雪、雨、花、虫、毎日使っているスプーンや靴、そんな当たり前すぎてつい見過ごしている、
自然やモノと人とのかかわりを、即物的な目で丹念に捉えなおす。
さらにこの絵本には、その先がある。
そのモノがそのモノであるために大切なことは何かを、ずばっと言い当て、なるほどと納得させる。

1949年の初版以来、アメリカでは多くの人に読み継がれてきたロングセラーの名作が、
今まで日本に紹介されなかったのが不思議なほど。おばあさんの代から受け継がれてきた、はげているがツヤの出た、
なつかしい木の家具のように、時間に磨かれた1冊。
心と頭の常備薬として、さりげなく本棚にしのばせておきたい、大切な古典の1冊だ。

内容(「BOOK」データベースより)
世界中でながく愛されつづけている『おやすみなさいのほん』のマーガレット・ワイズ・ブラウンと
カルデコット賞受賞画家のレナード・ワイスガードのコンビがおくる一冊。
日々、目にうつるものたちを新鮮なおどろきをもって自由にとらえたこの本は、
1949年に最初に出版されて以来おおくの人々によみつがれている。
「グラスに とってたいせつなのはむこうがわがすけてみえること」
ひなぎくにとってたいせつなのはしろくあること
あめにとってたいせつなのはみずみずしくうるおすということ
くさにとってたいせつなのは かがやく みどりであること
ゆきとってたいせつなのは いつも かわらず しろいということ
りんごとってたいせつなのは たっぷり まるいということ
かぜとってたいせつなのは ふくということ
そらにとってたいせつなのは いつもそこにあるということ
くつにとってたいせつなのは あしをつつんでくれるということ

でもあなたにとってたいせつなのは あなたがあなたであるということ