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私の読書感想メモ

工藤直子著 長新太・絵  ともだちは海のにおい



永遠のロングセラー」といわれるのもわかります。

本文は2色で、スミとラベンダー色。詩のページのバックは、ラベンダーを淡くした色で、青みがかった藤。物語のページに入るラベンダー色の線画がとても綺麗です哲学とビールが大好きなくじらと
体操やその訓練が大好きないるかという
二匹によって綴られるストーリー

たいくつすると心がゆるんでくる。心がゆるんでくる
戸締りを忘れて、ドアがばたんばたんゆれる。
つかれたときも心にスキマがあく。
がたびしして 境界線がぼやける。
そんなとき私は、すぐ昼寝をする。・・(後書きより)

海の始まり

ひとはみな こころのなかに
海をひとつ もっている
その濃いみどりの海のうえに
ときどき ちいさな魚がはねて
とこどき ちいさなしぶきがたる
ひとの心のなかに
おそらくむかし
−なにが悲しいのか
 わからないほど ちいさく
 なにがつらかったか
 忘れてしまうほど むかし
ひとはみな
はじまてまるい口をあけて泣いた
あのときの涙の粒が
海の はじまり

泣くたびに流れた
塩辛い涙は
だれにも知られぬ場所に
あふれあふれ
 それはたしかに 悲しみの波
 それはたしかに つらさのうねり
それはたしかに そうなのだが
ごらん いつのまにか
涙の海に 生まれてそだった
泳ぐものたち
笑い 歌い そして遊ぶ
泳ぐものたち

ひとはみな いつだって
塩からくて にぎやかな
海を抱いているのだ


あ・い・た・く・て
大日本図書 (1991-09-14出版)

あいたくて
じぶんにあう
ひとにあう
風景にあう
猫にあう
そして