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私の読書感想メモ

小松成美著 「一流」であり続けるために。 



世界が認める男たちの共通点。
それは       。
中田英寿、イチロー、武豊。
彼らは、何を、どう考え「自分」を維持しているのか。
「一流」に一番近い筆者が描く、闘う男たちの情熱と葛藤!
長島茂雄、大鵬、力道山…、かつて人々に勇気を与え伝説となったスポーツ界のヒーローたち。しかし、彼らの残した足跡は「日本という小さな国の中」という限定があった。そして国際化とともにスポーツというフィールドで世界との力の差を目の当たりにした私たちは、自国のヒーローをしばらく見失うことになる。が、新世紀をむかえたころから、厳しい世界の舞台に臆することなく飛び込み、人々を熱狂させる若き日本人アスリートの活躍が見られるようになった。
本書は、スポーツライター・小松成美が国内外で活躍するスポーツ選手の素顔に迫ったコラム集である。とくに本書の柱となる中田英寿、イチロー、武豊の3人は、継続的な取材を通してしか垣間見られないであろう素顔を覗かせてくれ、それぞれが成長していく過程の断片にもなっていて興味深い。時にミーハーのごとく選手を追いかける著者のやわらかで真っ直ぐな視線が、彼らの張りつめた心を解き、どこにでもいそうな若者としての一面を引き出しているのだ。

著者は、「特別だと信じていたアスリートたちは、純粋で危うかった」と言いながら、そのアスリートたちを追いかけている中で、一流でいるためには「自分を失わない」ことが絶対に必要だと感じたという。到達したと思える頂上はスポーツの世界にはない。そのことをわきまえて常に進化をし続けようとする者たちだからこそ凛々(りり)しく魅力的なのだろう。そんな彼らの姿を熱く見守りたい、読者はそう思わずにいられない。(斉木 厳)

出版社/著者からの内容紹介
中田英寿、イチロー、武豊。なぜ彼らは世界と勝負できるのか−「一流」に一番近い著者しか知りえない、闘う男達の情熱と葛藤。スポーツコラムの傑作!

たとえトップに立ったとしても戦いは一瞬で終わらない。追いかけてくる誰かと、
幾度も競いあって行かなければならないのだ。
・・・・「あの選手は、過去から現在まで一流でありつづけている」と言わせることは、
頂点に向けてつき進ことより遥かに難しのではないだろうか。
私はふと「一流であること」の意味を考えることがある。
あることを成し遂げ、人々の尊敬を集めていることが一流の定義ではあるのだろうが、
それ以外にも、絶対に必要なことがあると私は思うのだ。
(本文より)ずっと、プロのスポーツ選手や、オリンピックでメダルを目指す選手たちは、
特別な存在で手の届かない場所に立っているのだと思ってきた。
あの広大なトラックやスタジアムで、激しく純粋な感動を与えられる人々は、
「選ばれた人たち」なのだと知っていたからだ。
子供の頃からスポーツを観ることが好きだった私は、スポーツが起こす巨大な波に
身を任せることが心地よかった。
躍動する肉体によって生み出される偉大な記録や白熱したゲームに、感激がこみ上げ、
胸いっぱいになって広がっていった。
その火の玉のような感情は、やがて私の頭の中を真っ白にしてしまうのである。
どんな色にも形にも、言葉にもたとえることができない選手たちの姿を、
ただ呆然とみつめることしかできなかった。

(本書まえがきにかえてより)

目次
中田英寿・・目的はたったひとつ
 ヴォリオ ウン アロスト
 ローマの中田英寿
 AFTER THE WWU
 イタリアで培ったもの
 勝つために、ここにいる
 “彼の”記事であると同時に“自らの”歩みでもあった他
イチロー・・野球を仕事だと思ったこと、ないんです
 恋するイチロー
 しなやかな魂〜イチローinアリゾナ
 解放される喜び
 メジャー開幕戦
武豊・・競馬をスポーツとして楽しんでもらいたい
 熱狂と重圧
 アスコット競馬場の武豊
 孤独なアスリート
最高峰のジョカトーレたち
 ローマのプリンチペ トッティ
 “東欧のマラドーナ”ハジの引き際
 「今日が人生最良の日だ」とパレルモは泣いた
進化する日本サッカー
 キャプテン前園
 “フランス人”トルシエ
 川口能活 弾力のある魂
頂点を目指す男たち 子供たちが憧れてくれる選手になりたい
 NHLのヒーロー
 フィリオKO
 格闘技界のキーパーソン、小川直也はチョット怖そう
 アンディ・フグとフランシスコ・フィリオ
 松井秀喜インタビュー