私の小さな旅、トップに戻ります 私の読書メモに戻ります

プラウザの「←戻るボタン」で戻り下さい

私の読書感想メモ

倉本 聰【著】 谷は眠っていた―富良野塾の記録
理論社 (1988-12出版)

北の国のきびしい風土の中で、倉本聰という魅力あふれる個性的な人物と、
何かを求めて集ってきた富良野塾の若者たちの出あいは、眠っている谷を生き返らせた。
本ものの人間教育と倉本聰というステキな人を知るために、沢山の人にこの本を読んでほしい。
今、にっぽんの青春を喚び醒ます、富良野塾の記録。

富良野の山奥の谷に丸太小屋を建て自立をめざす若者との苦闘を記録する。
俳優や脚本家の卵たちの血と汗の結晶がここにある。   小学校高学年〜中学生

作者の言葉 倉本聰

「谷は眠っていた」は、富良野塾にとっていわば原点の芝居である。
17年前この谷は、草ぼうぼうの見捨てられた原野だった。
その谷に塾を興そうと思い立ったとき、僕に如何ほどの未来図があったかと問はれれば、
そんなものなかったと答えるしかない。未来図など僕には興味なかった。
僕にとっての唯一の興味は、それを創造する過程であり、資力もなにもない僕と若者が
智力と汗のみで一体どこまで物を創れるのか、それに挑戦してみたいという、
殆んど無謀に近い情念だった気がする。だからこの舞台に登場する一つの台詞
「20年後この谷は、又荒れ果てて元の原野に戻ってるンじゃないか。(中略)
俺はそれでいいと思ってるンだ」
という石山の言葉はそのまゝ当時の僕の心境だった。
ところが実に信じられないことに、若者たちはこの塾を17年間存続させてしまい、
思ってもみなかった20年後がもう目の前の2000年を迎えた。
「北の国から」が20年続いたことと同時にこれは奇跡としか云いようがない。
今、その通過した若者たちへの、オマージュとしてこの舞台を捧げる。

谷は眠っていた 

あなたは文明に麻痺していませんか。

車と足はどっちが大事ですか。

石油と水はどっちが大事ですか。

知識と知恵はどっちが大事ですか。

理屈と行動はどっちが大事ですか。

批評と創造はどっちが大事ですか。

あなたは感動を忘れていませんか。

あなたは結局何のかのと云いながら

我が世の春を謳歌していませんか。
メモ
谷は眠っていた。
富良野岳の山麓、かすかな沢音と虫のすだきだけが
荒れ果てたその谷を支配している。
此処へくる途中で道は途絶えていた。
太陽だけがじりじりと照っている。
開拓者がこの土地を見捨てて去ったのは既に十数年前だと聞いていた。
以来この谷は眠りつづけている。

ニングルの森

◆太陽◆お札◆文字◆森の音◆土地◆命の木◆時間◆水滴◆山おじ◆鮭
集英社 (2002-07-10出版)

風・森・水。
悠久なるものへの想いを呼びおこす。
倉本聡、初の童話作品。

私の小さな旅、トップに戻ります 私の読書メモに戻ります