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私の読書感想メモ
河邑厚徳・林由香里 著 『チベット死者の書』 (上)
NHK出版
著者紹介 河邑厚徳(カワムラアツノリ) 1948年生まれ。1971年東京大学法学部卒業後NHKに入る 主にドキュメンタリーを担当。最近はNHKスペシャル大型企画 「アインシュタイン・ロマン」の制作、神話シリーズの企画開発 など 林 由香里 1964年生まれ。1987年東京大学教養学科卒業後NHKに入る 主に報道番組で「ニュースtoday」「ニュース21」など ニュース番組を担当しながら「NHKスペシャル・アメリカの ジレンマ」「NHKスペシャル・星と風の航海者たち ― 南 太平洋クック諸島」などを手がけ、NHKスペシャル大型企画 の企画開発を担当する |
「チベットの死者の書」は、チベットで僧侶が死者の枕許で唱えて、死者の魂が迷いの世界に再び輪廻しないよう、解脱の道を差し示すものである。 「チベット死者の書(バルド・トドゥル)」は、チベット仏教の伝統から生まれた経典です。 死に臨む人の耳元で、死の直前から死後四十九日間にわたって、この経典を語り聞かせるのです。 生命の本質は心であり光であるという思想とともに、いかにすべきかという死の技術が説かれています。 チベット語の「バルド」は中間の状態を表し、「トドゥル」は耳で聞いて解脱するというような意味を持っています。 「バルド・トドゥル」では、人は死ぬと「バルド」という別の状態に入ってゆくのだと説明しています。 死はすべての終わりではなく、死者の意識は、死後バルド(中有)世界に入ってゆき、さまざまな体験をする様子が詳しく書かれています。 |
メモ 死の前から読みはじめられたこの経典は、死者が荼毘に付されたのちも、四十九日間、 死者に対して毎日読み続けられます。 「高貴なる生れの者よ。 あなたには死が訪れました。 この世を去るのはあなた一人ではありません。 だれしも死ぬのです。 ですから、この世に望みや執着を持ってはなりません。 望みや執着があっても、この世にとどまることはできないのです。 輪廻しさまよいつづけるほか仕方ないのです。 欲を持ってはなりません。執着を持ってはいけません。」 |