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私の読書感想メモ

新井満著  千の風になって

愛の永遠を高らかにうたいあげる“究極のラブ・ストーリー”誕生。
ベストセラー「千の風になって」(講談社)で感動を呼んだレイラの
物語が絵本になりました。

いま世界中に知られる作者不詳の一編の詩。
この詩は大切な人を亡くした悲しみを
優しくいやしてくれる。本書はアメリカ先住民を主人公に、
この詩の誕生を物語に仕上げた絵本

新井満 千の風になって

私のお墓の前で 泣かないでください。
    そこに私はいません、眠ってなんかいません
    千の風に 千の風になって
    あの大きな空を 吹きわたっています

    秋には光になって 畑にふりそそぐ
    冬にはダイヤのように きらめく雪になる
    朝は鳥になって あなたを目覚めさせる
    夜は星になって あなたを見守る

    私のお墓の前で 泣かないでください。
    そこに私はいません、眠ってなんかいません
    千の風に 千の風になって
    あの大きな空を 吹きわたっています

    千の風に 千の風になって
    あの大きな空を 吹きわたっています

    あの大きな空を 吹きわたっています

    (作者不詳・日本語訳新井満)

   
A THOUSAND WINDS

    Do not stand at my grave and weep,
    I am not there, I do not sleep.

    I am a thousand winds that blow,
    I am the diamond glints on snow,
    I am the sunlight on ripened grain,
    I am the gentle autumn's rain.

    When you awake in the morning hush,
    I am the swift uplifting rush
    of quiet in circled flight.
    I am the soft star that shines at night.

    Do not stand at my grave and cry.
    I am not there, I did not die.

    Author Unknown

「千の風になって」は、いかにして生まれたか?      新井満

私のふるさとは新潟市です。私の母は亡くなる91歳まで助産婦として生きた。
この町で弁護士をしている川上耕君は、私のおさななじみです。
彼の家には奥さんの桂子さんと三人の子供たちがいて、とても明るく幸せな家族生活を営んでいました。
ところがある日、桂子さんはガンにかかり、あっというまになくなってしまいました。
後に残された川上君と子供たち三人のおどろきと悲しみは尋常ではありません。絶望のどん底に
蹴落とされたのも同然です。なぐさめの言葉を言う以外、私にできることはありませんでした。
しかし、そんなものが何の役に立つはずもありません。

たくさんの仲間たち が協力して追悼文集を出すことになりました。
「千の風になって-川上桂子さんに寄せて-」という文集です。
文集の中で、ある人が「千の風」の翻訳詩を紹介していました。私は一読して心底から感動しました。
<よし、これを歌にしてみよう。そうすれば、川上君や子供たちや、あとに残された多くの仲間たち
の心をほんの少しくらいはいやすことができるのではなかろうか……>そう思ったのです。

 「いつどこで生まれたのかわからない、風のような詩だ」
何ヶ月もかけて原詩となる英語詩をさがし出しました。それを翻訳して私流の日本語訳詩を作りました。
それに曲をつけて歌唱したのが、この度の「千の風になって」という歌です。

「生者」ではなく「死者」が書いた詩だった。
1987年・マリリン・モンロ−の25回忌の時、
1995年・24歳のイギリス軍兵士、ステファン青年(アイルランド共和軍)のテロの犠牲者の葬儀の時、
2001年、ニュ−ヨ−ク同時多発テロの当日、世界貿易センタ−でシェフをしていたクラ−クさん(39歳)
彼が最後に目撃されたのはビルの88階で車イスの女性を助けようとしていた。

                  (2003年秋)
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