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私の読書感想メモ

池内 紀 著  ひとり旅は楽し

池内 紀(いけうち おさむ、1940年11月25日 - )は、兵庫県姫路市出身のドイツ文学者、
エッセイストである。
神戸大学、東京都立大学、東京大学文学部で教鞭をとり、定年前の1996年に退官。
退官後は文筆家、翻訳家として幅広く活躍している。
NHKFM放送「日曜喫茶室」の準レギュラー。
天文学者の池内了は弟。アラブ研究者の池内恵は息子
ひとり旅が自由気ままと思うのは早計というもの。
ハードな旅の「お伴」は、厳選された品々でなければならない。
旅の名人はみな、独自のスタイルをもっている。
山下清の下駄や寅さんの革トランクにしても、愛用するには立派なワケがあるのだ。
疲れにくい歩き方や良い宿を見つけるコツから、温泉を楽しむ秘訣、
さらには土産選びのヒントまで、達人ならではのノウハウが満載。
こころの準備ができたら、さあ旅に出かけよう。
内容(「BOOK」データベースより)
管理人メモ
この本を読んで初めて知ったこと。
・薄幸の俳人富田木歩(もっぽ)は1897年、本所区向島小梅町(現向島3丁目)に生まれた。
明治三十年、東京は本所向島に鰻屋の四男に生まれる。二歳のとき発熱が原因で(結核)足が立たなかった。
学齢に達しても通学のできぬ木歩は「いろはがるた」や「軍人めんこ」で文字を覚える。
二人の姉が弟の治療費のために芸妓に売られ、
木歩は口べらしに近所のカタ屋(友禅型紙彫刻師)へ徒弟奉公に出されている。
「木歩」という号は自分で義足を作って歩くことを工夫するがかなわず、その願いをこめてつけた。
木歩の号は次の一句にちなむ。

哀れ我が歩みたさの一心にて作りし木の足も、今は半ばあきらめて、

身を売りし妹の朔日の宿下りとて来れども、

我が肩に蜘蛛の糸張る秋の暮

納骨式
死装束縫ひ寄る灯下秋めきぬ
妹の棺を送る
明けはずむ樹下に母立ち尽したり


昭和十二年九月一日、関東大震災。駆け付けた声風に背負われて猛火の中を逃げたが、
隅田川の堤でそれっきり行方が分からない。26歳だった。
すさまじい不況の時代をひっそりと生きて、小さな句集と引き換えにあとかたもなく地上から姿を消した。
・観菩提寺は俗に 正月堂と称し、天平勝宝三年(751)に奈良東大寺の実忠和尚(ぢっちゅかしょう)により開創された