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私の読書感想メモ

荒俣宏 監修 知識人99人の死に方


冥土の旅はひとり専用。家族が看取ろうと、壮絶に死を演出しようと、死に行く人はたったひとり。
死の前には人は完全に平等である。
だが、そういうシンプルなあり方を誰もが等しく見つめることができるわけではない。
この一点で死は不平等でもある。ここに登場する99人は、考えることを生業にした人たちだ。
彼らは死を迎えるにあたって何を思ったか?むろん死を正確に見ることができた人など存在しない。
ここにはただ99個分の宇宙の眩暈がある。
この世で死ぬことの出来なかった人はひとりもいない。
あなたも、等しく、ひとりで死んでいく。
ならば、安心して、一足先に死んでいった先輩たちに学ぶことにしよう。
手塚治虫
享年60歳−死因胃ガン
「いま死んだら、死んでも死にきれない」
「命を大事にしよう!−漫画40年−漫画のテ−マ
ガンに侵された漫画の神様
50歳を過ぎても睡眠時間5時間、それもコマ切れ。
完全主義者の手塚は朝の8時から仕事に向かった
仕事の虫−早期発見を逃す。
ガンだろうか?深まる疑念−担当の医師にガンかどうかを確認するが「胃潰瘍」だと言われて「こんな病院を出ていく」と怒り出したがまた戻ってくる。
「仕事をする」「仕事をさせてくれ」日に1キロ体重が減った−
最後には70キロあった体重が50キロになった。
有吉佐和子
享年53歳
死因−睡眠中に急性心不全
サ−モスタットのない人生
憂鬱の予兆−更年期の体質変化
死因はついに不明のままで−
永井荷風享年79歳
死因 胃潰瘍
たった一人生きたいように生きる。死にたいように死ぬ
荷風もまた淋しかったのか−女優桜むつこを贔屓にした。
飽くまでも他人の世話は受けない−
女房子供を養うことなぞ絶対に嫌だった荷風は、2度の結婚生活も断固として避妊をして、離婚しても女性との関係はすべて金銭ですませる。
荷風を支えるものは、莫大な財産を入れたボストンバック一つだけだった。吐血して一人死を迎える−コ−トをきてマフラ−をした外出着のまま血が血管につまって窒息。市川署において検視をうけることになった孤独な死である。
谷崎潤一郎享年79歳
死因 冠動脈硬化症
3度にわたる結婚−最初の妻・千代子との「夫人譲渡事件」
久保田万太郎
享年 73歳
死因 窒息
情が厚くめんどうみの良い社交家であった。
画家の梅原亭での食事で出された赤貝のすしを口にして吐きそうになったが、飲み込んだけれども窒息した。
三木清
享年 48歳
死因 栄養失調(獄死)
栄養失調で、誰も看取るものもない独房で寝台からひとりころがり落ちて死んでいた。
高村光太郎
享年 73歳
死因 肺結核
高村は「人間の生涯は苦しみの連続だ。死んでやっと解放され、これで楽になるという感じがする。」
「智恵子の裸形をこの世に残して、私はやがて天然の素中に帰ろう」
堀口大学
享年 89歳
死因 急性肺炎
死を漁る
「水に浮かんだ月影です。つかの間うかぶ魚影です。言葉の網で追いすがる。百に一つのチャンスです。」(辞世の句)
松本清張
享年 82歳
死因 肝臓ガン
「俺はガンで死ぬからバイバイ」
死の数日前から「すまないね」「ありがとう」を言う。最後まで苦しみを表すことなくがなかった。
「通夜、葬儀は不要なり」
自分は努力をしてきた。好きだったからだ。思うように成果はなかったが・・
開高健(たかし)
享年 58歳
死因 食道腫瘍・肺炎
「入ってきて人生と呼び 出ていって死と叫ぶ」
棟方志功
享年 72歳
死因 肝臓ガン
永眠の1年前、青森の郊外に墓地を買い「私がこの墓地に入ったら、他に何もなくて良い。白い花一輪とベ−ト−ベンの第九でも聞かせて下さい。
きみたちとも、またすぐに会えるよ。魂で、きっと、なぁ・・」
長谷川町子
享年 72歳
死因 冠動脈硬化症心不全
自宅の窓を閉めようとして机から落ちて、治療をうけていた。
生涯独身。常にその仕事をかたわらで手伝っていた姉との二人暮らし。
70歳を過ぎてから、入院はしない・手術はうけない・葬儀はしないと
姉と約束をかわす。
石川淳
享年 88歳
死因 肺ガン
毎日牛肉600グラクとタバコ一日200本。
俺はガンではないのか−俺はもうダメだよ。
「老人は必ずしも死を恐れない。来るかと思って待っていても、
死はそうかといってすぐにきてはくれない。
その前に手続きがある。無常の概念を杖について、一人老いの坂を越えなくてはならない。・・・自然のなりゆきにまかせるしかない」
寺山修二
享年 47歳
死因 肝硬変に腹膜炎
「60歳まで生かせてくれ」
輸血がもとで後に肝炎を発病・「私は肝硬変で死ねだろう。そのことだけははっきりしている。だからといって墓は建てて欲しくない。
私の墓は、私の言葉であれば十分」
深沢七郎
享年 73歳
死因 心不全
「この世には恐ろしい病気があるねぇ。
それは死ねないという病気だよ」
「私はね、自殺する人をうんと馬鹿にしていた。自分は心臓の発作で臨終を何回も、20回もやって本当に悔しい思いをしたから、首でも吊って死んでやろうかと思ったけれど、今まで三島や川端さんとか・・」
出棺の直前に深沢の声が流れた「お別れの歌を聴いて下さい」−自作の「楢山節」の弾き語りだった。
井上靖
享年 83歳
死因 急性肺炎
79歳のときに食道ガンが見つかる。そして二年後、新に肺ガンが見つかる。
抗がん剤などで治療を受けながら病室で「孔子」を書く。
「大きな大きな不安だよ。君・こんな大きな不安には誰も追いつけっこない。僕だって医者だって、とても追いつくことはできないよ」と次女に言い、そのまま眠りについた。
五味康祐(やすすけ)
享年 58歳
死因 肺ガン
本人は知らされてなかったが肺ガンだった。
この時、自分の手相を見て「ガンの相が出ている」と話した。
ガンはすでに脊髄や副腎にも転移していた。
小林秀雄
享年 80歳
死因  腎不全による尿毒症
東大在学中に友人だった中原中也の恋人と同棲。
晩年は長寿を願って健康には注意。「このごろ惜しいのは生命だけだ」
亡くなる前には「病院は治療を受ける所だ」といって見舞客にあわなかった。
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