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私の読書感想メモ


岡本 太郎 (著)  自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間”を捨てられるか



自分の中に毒を持て あなたは“常識人間”を捨てられるか
著者が1993年に出した文庫本の新装版。亡くなる3年前に書き残した。
 今を生きる人々を叱咤激励している。自分の人生を振り返って、この世に生まれ出た瞬間から(覚えているわけではないだろうが)、小学校時代、パリ留学時代、今日に至るまでを「決められた枠にはまらずに、自分の思いを爆発させ続けてきた連続だ」と言う。

著者の主張は明快だ。「集団に馴染むために個性を殺すな。
1人ひとりが本気で考え、自分の思いを爆発させなければ、
世界はつまらなくなる」。

何かを生み出すためには、自分を追い込むことが必要だ、という言葉は
芸術家として生き抜いた著者の叫びだ。

数々の前衛的な芸術作品に込められた熱く厳しいメッセージが伝わってきて、勇気づけられる。
管理人より

岡本はこの「爆発」という意味について、
「爆発」というのは、火薬やダイナマイトが大きな音を立てて破壊して
いくイメージではなく、岡本のことばでは異質なものがぶつかり合って
「音もなく開く」ということになる
・私は幼い時から「赤」が好きだった。血を思わせるような激しい赤だ。
自分の全身を赤に染めたいような衝動。
この血の色こそ生命の情感であり、私の色だと感じつづけていた。
・「面白いねぇ、実に。オレの人生は。だって道がないんだ」
眼の前にはいつも何もない。
ただ前に向って心身をぶっけて挑む、瞬間、瞬間があるだけ。
芸術家というのは難しいなぁ。