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私の読書感想メモ

小川 洋子【著】 まぶた
◆飛行機で眠るのは難しい◆中国野菜の育て方◆まぶた◆お料理教室
◆匂いの収集◆バックストローク◆詩人の卵巣◆リンデンバウム通りの双子
新潮社 (2004-11-01出版)
15歳のわたしは、高級レストランの裏手で出会った中年男と、不釣合いな逢瀬を重ねている。
男の部屋でいつも感じる奇妙な視線の持ち主は?―「まぶた」。
母のお気に入りの弟は背泳ぎの強化選手だったが、ある日突然左腕が耳に沿って伸ばした格好で
固まってしまった―「バックストローク」など、
現実と悪夢の間を揺れ動く不思議なリアリティで、読者の心をつかんで離さない8編を収録。

小川洋子[オガワヨウコ]
1962(昭和37)年、岡山県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。’88年「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞を受賞。
’91(平成3)年「妊娠カレンダー」で芥川賞受賞。2004年『博士の愛した数式』で読売文学賞、本屋大賞を受賞。
翻訳された作品も多く、海外での評価も高い


博士の愛した数式
新潮社 (2003-08-30出版)


世界は驚きと歓びに満ちていると、博士はたった一つの数式で示した
―記憶力を失った天才数学者、と私、阪神タイガースファンの10歳の息子。
せつなくて、知的な至高のラブ・ストーリー。
著者最高傑作。

【この本をお薦めします!〜紀伊國屋書店新宿本店・平野】
 あらかじめ失われることが前提の物語は、おとぎ話というにはあまりに切なく暖かい。毎日記憶がリセットしてしまう老数学者と、
そこに通うことになった家政婦の私、阪神タイガースファンの息子10歳。
3人で過ごした奇跡のような1年とその後。最初のページから予感にあふれています。
美しい物語です。いつかすべてを忘れ去ったとしても、たとえ別れの日が来ようとも、他人をここまで大切に思えるなら、
あのやさしい日々は確かにあったし、思い出せばいつでも暖かな気持ちになれる。そんな出会いがこの本の中にはあります。


寡黙な死骸 みだらな弔い
◆洋菓子屋の午後◆果汁◆老婆J◆眠りの精◆白衣◆心臓の仮縫い◆拷問博物館へようこそ
◆ギブスを売る人◆ベンガル虎の臨終◆トマトと満月◆毒草

中央公論新社 (2003-03-25出版)
息子を亡くした女が洋菓子屋を訪れ、鞄職人は心臓を採寸する。
内科医の白衣から秘密がこぼれ落ち、拷問博物館でベンガル虎が息絶える
―時計塔のある街にちりばめられた、密やかで残酷な弔いの儀式。
清冽な迷宮を紡ぎ出す、連作短篇集。