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私の読書感想メモ

大村 彦次郎【著】 文士のいる風景

筑摩書房 (2006-06-10出版)
やっと自由にものが書ける時代が来たというのに、何と不運な男だろう(高見順)―敗戦直後惜しまれつつ逝った武田麟太郎から宮地嘉六、水守亀之助、橘外男、木山捷平、有吉佐和子、深沢七郎、色川武大、
吉行淳之介、百歳で長逝した丹羽文雄まで、
百人の作家たちの心に残る生活風景を豊富なエピソードで綴った文壇ショートストーリー百話。
60年に及ぶ戦後文壇栄枯盛衰の物語。
文庫書き下ろし。

散る花のなにをかいそぐ―武田麟太郎
なんてまあ哀しい男だろう―織田作之助
人生五十年、一日余ししかなしさよ―横光利一
そんなところまでは手が届かない―菊池寛
拙者を文士だ、と思っているか!―真山青果
小説を書くのがいやになったから死ぬのです―太宰治
男の罪の意識のわかる女っていいねえ―田中英光
どうか故人を赦してやって貰いたい―林芙美子
春の雪ひとごとならず消えにけり―高田保
座蒲団の紅き厚さに日脚伸ぶ―久米正雄〔ほか〕

大村彦次郎[オオムラヒコジロウ]
1933年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部・文学部卒業後、講談社入社。「小説現代」「群像」編集長を経て、文芸出版部長、文芸局長、取締役を務める。その間、野坂昭如、井上ひさし、
長部日出雄、村上龍、村上春樹ら多くの作家の文壇デビューに尽力し、また池波正太郎「仕掛人藤枝梅安」、笹沢佐保「木枯らし紋次郎」などの評判作を企画し、ヒットさせた。
『文壇栄華物語』は第18回新田次郎文学賞、『時代小説盛衰史』は第41回長谷川伸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

太宰の遺書(妻の美知子)−「あなたをきらいになったから死ぬのではないのです。小説を書くのがいやになったからです」
岡田三郎ー女性の出入りが頻繁にあり、50歳近くになってから、銀座のカフェで働いていた19歳の江尻のぶこと恋愛し
妻と二人の子供を捨てた。岡田の生活は厳しく、男の子を産んだが胸の病気で死亡
やがて胸の病気で3人の子供を残して死亡。
室生犀星ー若い愛人がいた。売れない芸者
松本清張ー肝臓がんで82歳。「妻の直子に宛てー「自分は努力だけはしてきた。それは努力が好きだったからだ
思うように成果はなかったけれど、80歳になってもなお働くことができたのは有り難い」

文士の生きかた
筑摩書房 (2003-10-10出版)
妻子を捨てて恋人と駆落ちし(嘉村礒多)、三十歳も年下の多情な女に翻弄され(徳田秋声)、逃げた女への執拗な探索行に身をけずり(近松秋江)、
自分の創作のためには身近なすべてを犠牲にしてはばからない(葛西善蔵)…そして彼らは数々の名作を生み出した。
大正ならびに、昭和の戦前・戦後に活躍した文士の中から、ある種の典型的な十三人をとりあげ、その人生の裏表や喜怒哀楽をそれぞれにさぐってみる。
彼らのきわめて野放図な生きかたや、貧乏、病気、死などを通して、“文士とは何か”“人間とは何か”を、あらためて考えずにはいられない。
評判の著者“文壇物三部作”に続く、興趣尽きぬドキュメント。

芥川龍之介
葛西善蔵
嘉村礒多
直木三十五
徳田秋声
近松秋江
葉山嘉樹
宇野浩二
久保田万太郎
谷崎潤一郎
高見順
山本周五郎
和田芳恵